Prevention

予 防

フィラリア症

フィラリアとは蚊が媒介する寄生虫です。フィラリアを持っている蚊が犬を吸血した際に、犬の体の中にフィラリアが入ってしまいます。そのフィラリアが体の中で成長し、血管内を通り、心臓や肺動脈に侵入することで、血液の循環に悪影響を及ぼします。

放置すると死に至る場合もある恐ろしい病気です。月に1回予防薬を投与することで、フィラリアが血管内に侵入する前に駆虫できます。また、万が一体の中でフィラリアが成長していた場合、予防薬を使用すると犬がショック症状を起こす可能性があります。春の予防を始める前に血液検査でフィラリアがいないか確認することが必要です。

  • 内服での投薬が難しい子には1年間効果が持続する注射の予防薬もあります

ノミダニ

草むらに潜んでいるノミやダニが犬や猫に寄生すると皮膚病や貧血を引き起こしたり、人にも感染する病気を媒介することもあります。冬でも暖かい室内では繁殖できるため、通年の予防が必要です。

ノミによる病気

  • 皮膚炎・貧血・猫ひっかき病(人)、瓜実条虫(人)など

ダニによる病気

  • 皮膚炎・貧血・バベシア症(犬)・ヘモプラズマ症(猫)・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)など

狂犬病

人獣共通感染症の1つで、発症するとほぼ100%死亡する恐ろしい病気です。日本では、昭和32年以降犬での発生はありませんが、海外での発生は多く、海外から日本に持ち込まれるのを防ぐため、犬の登録・狂犬病予防注射が義務づけられています。ワクチンアレルギー歴や持病があり、ご不安な方は獣医師にご相談ください。

混合ワクチン

混合ワクチンで予防できる感染症は、狂犬病とは違い、日本に存在する病気です。ウイルスや細菌は日常生活のあらゆるところに潜んでいるため、ワクチン接種による感染予防がとても大切です。

犬の予防できる病気

  • 犬ジステンパー
  • 犬パルボウイルス感染症
  • 犬伝染性肝炎
  • 犬アデノウイルス2型感染症
  • 犬パラインフルエンザウイルス感染症
  • 犬コロナウイルス感染症
  • 犬レプトスピラ感染症(8種ワクチン)

猫の予防できる病気

  • 猫ウイルス性鼻気管炎
  • 猫カリシウイルス感染症
  • 猫汎白血球減少症
  • 猫白血病ウイルス感染症(5種ワクチン)
  • 猫クラミジア感染症(5種ワクチン)

ワクチンプログラム

ワクチンは年齢によって、接種回数や効果の出かたが変わります。幼齢期は、母親から受け継いだ免疫が弱まる時期に合わせて、生後8週ごろからワクチン接種が始まります。この時期のワクチンは、4週間隔で2〜3回の接種が必要です。2年目以降は、1年ごとの追加接種をお勧めします。

  • ワクチン接種後2〜3日は安静にし、激しい運動やシャンプーは避けてください
Surgery

避妊・去勢手術

去勢手術・避妊手術とは全身麻酔下にて行われる不妊手術のことです。オスの場合は精巣を摘出(去勢手術)、メスの場合は卵巣子宮を摘出(避妊手術)します。手術を行うことで望まない妊娠が回避できることはもちろん、中高齢になってから生じやすい性ホルモンによる病気を未然に防ぐ「予防医療」としてとても大切です。

性ホルモンが関与する病気

  • オス 精巣腫瘍、前立腺肥大、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫など
  • メス 卵巣・子宮腫瘤、子宮蓄膿症、乳腺腫瘍など
  • 乳腺腫瘍の予防には遅くとも2回目の発情が来る前に避妊手術をすることがおすすめです。

メリット

  • 発情による動物のストレスがなくなる
  • 繁殖行動(マウンティング、スプレー行動など)が生じにくくなる
  • 望まない妊娠が回避できる
  • 性ホルモンが関わる病気のリスクが減る

デメリット

  • 体重が増えやすい
  • 手術後の体重は、食事で管理することが大切です。手術退院時にご相談させていただきます。

避妊・去勢手術の流れ

手術日を決める

手術は予約制となります。お電話での予約も可能です。

  • 予約の状況により、ご希望に添えない可能性もございます。ご了承ください。
手術日までの2週間以内に術前検査を行う

術前検査として、血液検査+胸部レントゲンを行います。

  • この日は予約なしでご来院ください。
術前検査に問題がなければ、当日10時に来院

手術当日の詳細については、②の術前検査時に直接ご説明いたします。

術後3〜4日程度で傷チェックのため再診
術後10〜14日程度で抜糸のため再診

入院について

  • 避妊手術 1泊2日
  • 去勢手術 通常は日帰り(精巣が腹腔内にある場合は1泊2日)
Health check

健康診断

検診コース

定期的に健康診断を行うことで病気の早期発見に繋がります。体調に変化があってから検査を行うのではなく、体調を崩す前に病気を発見できればワンちゃん、ネコちゃんへの負担が最小限で治療を行うことができます。また、健康な時に検査を行うことで、万が一具合が悪くなった時にデータの比較をすることができるので、若く元気な時期に健康診断を行うことは大切です。

お手軽コース
11,000
(税込)
身体検査/血液検査/尿検査
  • 予約やお預かりがなく実施できるコース
  • 血液検査で肝臓や腎臓などの一般的な内臓の項目や、貧血の有無などを調べることができます。
  • 尿検査ではワンちゃん、ネコちゃんに多い尿石症や膀胱炎、また尿の中のタンパクや尿の濃さを調べることで、腎臓のトラブルの早期発見につながります。
  • 初めての健診や若い子の健診としてお勧めです。
安心コース
16,500
(税込)
身体検査/血液検査/尿検査/レントゲン検査(胸部・腹部)
  • 予約やお預かりがなく実施できるコース
  • お手軽コースに加え、胸部・腹部のレントゲン検査を行います。
  • レントゲン検査を行うことで、血液検査には項目のない肺や心臓、骨、内臓などの異常を発見することができます。
  • 中年齢以上の子の健診にお勧めです。
しっかりコース
22,000
(税込)
身体検査/血液検査/尿検査/レントゲン検査(胸部・腹部)/
超音波検査(心臓・腹部)
  • 予約制です。3〜6時間程度お預かりとなります。
  • 安心コースに加え、心臓と腹部の超音波検査を行います。
  • 超音波検査を行うことで、様々な臓器の内部の状態、血管の状態や腫瘤の有無を確認できます。
  • 全身をくまなく検査したい場合や、シニア期の子の健診にお勧めです。
  • より正確な検査結果を得るために、10〜12時間程度の絶食状態でお越しください。
  • 尿は可能な限り、当日朝一番にしたものをお持ちください。
  • 全ての検査結果が出揃うまで数日かかりますので、検査結果のご報告は後日となります。